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2005/03/04
 「暮らしの手帖・・・そしてある町」  

          


大阪に、此花(このはな)という町がある
今までに、二度、訪れた
3月、春の花が咲き始めると
毎年行きたい想いが募る・・・・


この町は、息子の父親・・すなわち私の主人の育った町で
結婚の年、まだ生家の残る、今は違う人が住むこの町を、初めて二人で訪れてみた・・・
梅田からもそう遠くない都心のはずなのに、何故か取り残されたような静かな町で
近くにできたUSJの影響もさほど受けず、白く朽ちかけた、コンクリートの古い町並みを
まっすぐ落ちる白昼の陽に
さらしている・・・
春になると、残された老人たちが、季節の安い花たちを
ブロック塀の上に飾り、幸せそうに愛でている・・・
案外きれいに区画された、殺風景な四角い街路を、乾いた風と、土埃が通り抜ける・・・・・・
そんな、穏やかな町なのだ
私の母は、隣町の福島出身なので、DNAは多分私にも流れていたのだろう
初めてなのにそんな気がしなかった  何故か懐かしいデジャブを覚えた・・・

「あの頃は、もっと、活気があったんやで(笑)・・」
静けさの言い訳をするように、育った町をこよなく愛した同伴者は言っていたけれど
その頃の活気、すなわち1950、60年代の、路地を駆ける子供たちのサンダルの音・・・
お母さんたちの、華やいだお喋りの声、大輪のピースの薔薇の黄の色・・・
商店から流れるざわめきの音・・・ 秋刀魚の焼ける、香ばしい脂と炭の匂い・・・
それは、最近手に入れた、第一世紀 『暮らしの手帖』 
このページを開くことで、何とリアルに、鮮やかに感じることができることか・・・

まだまだ物資に恵まれない時代 でも、人々は、あたりまえのように元気に働き、物を作り
卓袱台を囲み、ささやかな、でも温かな夕餉を楽しみ、生きる希望に輝いていた・・・
そんな時代を感じたいからか、それとも、今は亡き、その町で育った人の幼い面影を偲ぶためか・・・
3月4日、結婚記念日の今日、あの町に行きたい想いに駆られながら
暮らしの手帖を開いてみる・・・
 
   
   
   
   
     
       
   
   
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