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2005/01/10                                           
「made in china の意味」
   
100円ショップに、ドールハウスの家具までも売られていたので驚いてしまった。何でも
安く手に入る昨今、相反して手作りブームの到来でもあり、素人感覚の1点物の良さが
見直されたりしているけれど、大量生産の既製品だって機械がオートメーションで服を
作ってくれているわけではない。これだって知らない誰かの手により作られている。。。
返還の年、仕事でよく香港を訪れた。デザインした服を縫ってくれる工場の見学に、
足を伸ばして「シンセン」という中国の経済開発区を訪れたことがある。ミシンを踏んでいる
ほとんどは、20歳に満たない少女だった。抜けるような白い額に頬があどけない桃色で、
眼の色も何となく淡かった。部屋に入ると皆、いっせい一様にこちらを見、はにかんだ
好奇心一杯の表情で、同じく一様にこちらを体ごと眼で追う。その間、仕事の手は
止まっている。日本資本なので工場の中は設備が整っているが、外は仕事を請う人の
列が並ぶ。中にはアピールのために掃除を始めるような気の利いた人も出てくるのだと、
案内してくれた営業マンが教えてくれた。咽るような暑さと埃っぽい町並、慌しい迷彩服の
警官、ジープのけたたましい警笛、動物を吊るした店先。運転席と客席の間に鉄柵の
あるタクシー。殺風景な暗闇の中に突然現われる、外人客のための(主に日本人
の?)きらびやかな高級ホテルのネオン。。昔、京阪電車、四条の駅で裸同然の
ホームレスの母子に出会い、何で今の時代にと不条理と憤りで吐きそうな心地になった
けれど、あの時と同じようなカルチャーショックを受けた。でも、外で水浴びをし、野菜を齧り、
生活している人達の表情は、とてつもなく逞しかった。。。夜、食事にホテルを出れば、
小さな子供が一本のカーネーションの花を差し出し何かを叫びながら追いかけてくる。
日本料理とは名ばかりの、うら寂しい居酒屋のような店で、干からびた枝豆など
つまんでいると、ついたての奥に何か人の気配が増え、どうやら客が日本人なので集められた
若い女性達のようなのだ。。。BGMに流れる吉幾三の「雪国」が、冷房の効きすぎた部屋と
心細い心境にマッチし耳底に残った。。。「made in china」のタグを見ると、ペニンシュラホテルの
高級なラウンジや、100万ドルの夜景と同時に、強烈なシンセンでの一夜、さらに又、中国娘に
技術指導のため、何ヶ月も現地滞在していた独身中年の女性課長の笑顔や、納期の
ために走り回っていた営業マン、スタッフの涙ぐましい努力が同時に思い出されて、
かなり複雑な気分になる・・
   
   
   
   
     
       
   
   
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