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2005/01/12                                           
「恩師への思い」  
恩師からの賀状を眺めていた。専門学校に通ったのは2年だが、アルバイトをしながらの
自費生活で、校風が厳しく、課題が多い毎日は、結構辛いものだった。遅刻や欠席が多く、
おまけにジバンシーのようなオートクチュールの技術を学ぶ学校なのに、当時流行していた
川久保怜や、ヤマモトヨウジの影響を受け、奇をてらったような服ばかり作っていた。
模範生といえるような優秀な生徒でなかったことだけは間違いない。2年の終わり、専攻科
への進路を自分なりに決めていたとき、担任に呼び止められた。「あなたは進級しなくて
よい。この学校で学ぶ人ではない。社会に出て働きながら一人で勉強をする方が向いて
いる」・・地に足さえ着いていないくせ、向上心だけは勝っていたので、私は拒絶されたような
気になって、かなりのショックを受けた。ウエディングドレスを作り卒業式に出る風潮が
多い中で、私だけ着物をモチーフにした奇妙な原色のカクテルドレスを作って出席した。
とにかく色んなコンペで賞を取り、実力を付け、そして学校や、進級した友人達を見返し
たい・・そんな暗い思いも心の隅に持ちながら、卒業後、1年、2年と賞を頂き、3年目・・・
マネキンの着せつけの為、入ったコンペ会場に、母校の学生と専攻科の先生がいた。
その先生とは顔見知り程度の面識だったのに、顔を見るなりこちらに来られ作品をじっと
見つめながら「あなた、よう頑張らはったなあ・・」としみじみ言われた後、黙々と着せ
付けを手伝ってくださった。「学校でも、皆で感心してはるえ」私は、ただ溢れる思いを
堪えるのに精一杯で、久しぶりにお会いしたのに何を話すこともできなかった。母校に
対するわだかまりは、その時、綺麗さっぱり解けてしまった・・・卒業して20年になるが、
当時の担任で後、学校長になられた先生や、デザインと絵の先生など、色んな形で
励ましの言葉を頂き、助けて頂いている。メーカーに入り人を探していると「では貴女に
合う方をご紹介しましょう」と言って、本当に相性がぴったりの優秀な女の子を行く先々に
送り込んでくださった。一番感謝すべきは、当時私が作りたいと思った服が、たとえ
どんなデザインであれ、決してそれを作るな、とか何だこれは。というような否定をされず、
服として最良の形になるように、いつも綺麗な仮縫いをして頂いた事である。下手をすれば
仮装行列となりかねないデザインでも先生に仮縫いをして頂くと、いつも上品な正しい
形でおさまった。本当のプロの実力を目の当たりにし、若さゆえの拙い反発をしながらも、
心の底から尊敬していた。あのときの経験がなければ賞は絶対に取れなかったし、
今こうして服作りを生業にすることなどあり得なかった。心からそう思い感謝している・・・ 
   
   
   
   
     
       
   
   
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