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2005/01/07                 
「形見のバッグ 」
 
昨年12月、初めてのお客様が来店された。
前から何をしているところかと気になっていたが、
最近地域の地図の中に「手作りの店」の看板を
入れたのをご覧になり、イテモタッテモの
状態でお立ち寄りになられたそうだ。手には
グラニーバッグを提げられていたが、亡くなった
お姉さまの手作りで、もうボロボロになって
しまった。形も大きさも気に入っているので
裏地をそのまま使って同等品を作って欲しいと
いうご要望だった。とにかく、物を捨てるということができないのだとおっしゃる。私もその
お気持ちはよくわかるし、ここは、どちらかといえばそういうお客様の為の店、という風に
考えているので、嬉しくオーダーをお受けした。同じような柄行きの生地を探し、作った後、
残り布でお揃いの巾着とティッシュケースも作ってみた。古いバッグの生地はいらないと
おっしゃっていたけれど、綺麗な柄でまだまだ使えそうだし、ご予算も充分頂いている。
ここには病院帰りに立ち寄られるそうなので、保険証入れを作って差し上げた。生地が
傷んでいる所にはビーズ刺繍を施し、補強した。今日お渡ししたのだが、とても喜んで
いただき、ご本人も編物をなさるので、しばし手作り談義に花が咲いた。誰かが手作りした
ものや、思い出の物に鋏を入れるのを嫌がられる方もいらっしゃるが、私はその丁寧に
縫われた縫い目を一つ一つリッパーで解き、新しい息吹を与えることに躊躇はない。
縫い目の中には、結構、経年の砂埃や、傷みや汚れもあるけれど、それは、その方が
長い間愛用されてきた証なのである。出来上がったものが、また暫くは持ち主さんと
長いときを共にされるのかと思うと多少の緊張は感じるけれど・・・
 
 
   
   
   
   
     
       
   
   
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